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第145回 東京小説読書会の報告


こんにちは!Hajimeです。2019年9月14日、小松左京の「日本沈没」を課題本に読書会を行いました。

今まで話には聞いたことがありますが、読んだことがないということで課題本に設定しました。

以下、ネタバレを含みます。

1970年代、潜水艇乗りの小野寺は海底に違和感を感じる。

ある日、秘湯の島が忽然と消え、1日に3メートルという急激な勢いで沈んだことがわかる。

その頃、学会のはみだしものである田所教授は日本中で集めた観測データと己の勘で2~50年の間に日本が沈没することを予見する。

田所の元に集まった気鋭の学者や官僚はチームを作って、精確な予測を行うために小野寺をスカウトし、

日本中の地質データを集めるとともに避難計画を策定する。

日本中のデータを集める間にも日本全国で地震や噴火が起こり、東京でも大震災以来の大地震が起こり、

研究に参加する者本人や家族が巻き込まれる。

その頃に出た結論は、日本沈没まで300日というものだった。

それを知った総理大臣は覚悟を決めて海外に日本人を逃がし、官僚たちは1人でも多くの日本人を逃がすために死力を尽くす。

ほとんど無償でデータ集めに参加してきた小野寺は自分にもうできることはないことを知り、

チームを離れ結婚したばかりの妻とスイスに移住することにした。

そんな中、富士山が噴火する…。

■文学作品だった! 

読了した感想は、まずSF作品というよりも、文学作品だということです。

人々が試行錯誤し悩み苦しむ間に描写されるのは、日本の美しい風景です。

地震や噴火の描写も神々しさすら感じる描き方で表現されます。

流石、大ベストセラーというだけあって単なる未来予測小説というだけでなく、

文章にも雰囲気があります。

■怪獣映画?

小説の流れは完全にゴジラか!という雰囲気です。

太平洋上の不可思議な現象から始まり、徐々に不気味な現象が日本を襲ってくる。

最後にカタストロフを迎え、それに翻弄される人々が描かれる…。

ゴジラと違うのは、人間は完全に敗北するという点。

沈没する日本は救われず、人口の何割かの人間は日本と運命を共にし、生き延びた人間も海外で苦しい生活を送るのか…。

1954年に最初のゴジラが上映され、1973年に日本沈没が描かれる。

娯楽化したゴジラよりもよっぽど日本沈没の方がゴジラの直系のように見えます。

ちなみに、個人的にはさらに日本沈没の直系が「シン・ゴジラ」のような気がしますね。

★第2部

そう、実は日本沈没には第2部が存在します。

ちょろっとネタバレを聞きましたが、聞きたくない内容になっているようです…。

とはいえ、日本が沈没してから数十年後の話というのは気になります。

いずれ機会を見つけて読んでみたいと思います。

9月に開催したにもかかわらず、報告が遅くなってすみませんでした。

こういう古典的名作はもっと読みたいですね(^^)

2019.09.14開催、11.02記 Hajime

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