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2018/19年ノーベル文学賞発表 ライブ・ビューイングに行ってみた

2018/19年の2年分同時発表となった、今回のノーベル文学賞。前回(2017年)までは、東京・千駄ヶ谷の鳩森八幡神社にて、パブリックビューイングの末席で見守っておりましたが、今回は同イベントは非開催との情報を得ました。

「どこかでやってないかなー」と探したところ、東京・新宿の紀伊國屋書店でライブビューイングを行うとの情報を得たため、常連さんとお邪魔してきました!

▲新宿・紀伊國屋書店の会場 ※店内風景の撮影許可済

発表は日本時間の10月10日(木)20時から。

私が紀伊國屋書店に着いたのは18:50ごろで、すでに報道陣が10名ほど待機していました。

その後、19:30くらいにかけて報道陣は30名ほどに膨れ上がり、店員さんが「報道陣の方はテープより後ろへお願いしまーす」「一般の方は前でもご覧いただけまーす」「顔が映りたくないという方は後ろへお下がりくださーい」と交通整理。

そんなわけで、数名の常連さんとともに前線へ繰り出したものの、鳩森八幡のカウントダウンとは異なり、イベント性は皆無。ひたすら、スウェーデンと中継が結ばれるのを待ちます。

すると、どこからともなく受賞予想談義が始まりました。

▲店内の片隅には特設棚が

「1人は絶対にアジア。なぜなら、6年おきにアジア勢が受賞していて、その順番でいけば2018年はアジア枠だったから。なかでも中国が獲ると思います」

「前回のカズオ・イシグロはアジア枠じゃないんですかね?」

「2019年はラテンアメリカが来ますよ。チリのイサベル・アジェンデあたり、獲るんじゃないですかね」 「カナダのアトウッドは無理ですかね。そろそろ最後のチャンスですよ」

ちなみに私ことUranoは、「有色人種が入る」「ジャンルをバラつかせる」「80歳以上は獲らない」といった絞り込みから、2018年はノルウェーの劇作家ヨン・フォッセ、19年はナイジェリアの小説家チママンダ・アディーチェと予想しました。

そんな話に花を咲かせているうちに、気づけば「祝ノーベル文学賞受賞 村上春樹様」と手書きしたボードを持った、村上春樹のファンらしき人も待機。

期待と緊張感が高まるなか、20時を迎えました!

▲ついに発表の瞬間……!!

画面の向こうでは、20時きっかりに、選考委員長とおぼしき紳士が登場しました。

英語よりも先にスウェーデン語でアナウンスするため、何を話しているのかよく分かりませんでしたが、かろうじて「オルガ・トカルチュク」「ペーター・ハントケ」の2つのワードが聞き取れました……。

私は2度、わが耳を疑いましたね。

トカルチュクは、評価がポーランド国内にとどまっていると感じていたので、予想ではノーマーク。

ハントケに至っては、かねてよりノーベル文学賞に否定的のため与えるわけがないと思い、こちらもノーマークでした……。

それに、そもそも白人のダブル受賞とは……。

「イラン人の委員が加わったから、1人はヨーロッパ以外から選ばれる」という下馬評は、いったい何だったんでしょうか……。

▲似顔絵も今回ばかりはツーショット

会場も水を打ったように静まり返り、しばらくしてから館内放送で「2018年ノーベル文学賞は、ポーランドのオルガ・トカルチュク、2019年はオーストリア(※正しくはオーストリア)のペーター・ハントケと決定しました」とアナウンスされていました。 事実確認もおざなりに放送したくなる気持ち、わかります。

われわれは発表後、いくつかのメディア取材に応じてから残念会会場へ移動し、引き続き文学談義に花を咲かせましたとさ。

▲祝賀会になるはずが残念会に

2019.10.10参加、10.12記

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