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第141回 東京小説読書会・キノフィルムズコラボ企画「ガーンジー島の読書会」開催報告


こんにちは!Hajimeです。

8月30日公開の「ガーンジー島の読書会の秘密」とのコラボをキノフィルムズさんからいただきました。

映画「ガーンジー島の読書会の秘密」へのリンクはこちらから。

せっかくのご提案だったので、課題本『ガーンジー島の読書会』で8月9日に読書会を開催しました。

■『ガーンジー島の読書会』について

女流作家のジュリエットは、第2次世界大戦中に「イジー」という名前で書いたコメディが売れた後、次に何を書くか行き詰まる。

そんな時に彼女が以前古本屋に売った本の署名を見て、ガーンジー島から手紙が届く。

そこで紹介された「ガーンジー読書とポテトピールパイの会」は彼女の興味を引き、ついにはガーンジー島に渡ることになる。

この作品ジュリエットや他の登場人物の手紙で構成されます。

登場人物が30人以上いて、所々読みなおさないと誰が誰かわからなくなってしまいました(笑)

最終的にはジュリエットの恋愛がメインの話となりますが、ジュリエットが募集したナチス占領下のガーンジー島の話やジュリエットの身の回りのことなども描かれています。

アメリカでは非常に評価されたようで、「ニューヨーク・タイムズ」で34週ベストセラーズ10位以内に入った作品です。

■魅力的な登場人物

30名以上の登場人物が手紙を通して生き生きと描かれています。

いかにも女流作家という雰囲気のジュリエットに、物静かなドージー、自信満々なマーカム、ジュリエットの最も親しい友人シドニーとソフィー兄妹などなど。

その個性に合った語り口でガーンジー島やその時の状況が描き出されます。

個人的に好きなのは、イゾラ・プリッピーです。

ちょっとピントがずれているところがありますが、愛すべきキャラクターだなあ、と。

みんなで集まったときにいないと寂しくなるタイプの人間だと見ました。

手紙でよく話題になるエリザベスは勇敢で人情味のあるキャラクターです。

彼女の機転によって始まった読書会がナチス占領から解放された後も続いているということは、

それだけ参加者の気持ちに大きな影響を及ぼしたからでしょう。

■手紙を通して語られる真実と作者の視点

ジュリエットは「ガーンジー読書とポテトピールパイの会」を知るためにガーンジー島の住民から手紙を受け取ります。

ナチスドイツ占領中にあった様々なことが語られ、物語の中盤ではエリザベスが亡くなっていることもわかります。

また、ジュリエットが最初の方でティーポットを投げつけた嫌味な記者が最後に効いてきたりとミステリー風味の味付けもあります。

この小説に出てくる人や風景は、どんなに苦しい時期を描写していても優しく柔らかい印象です。

我々の読書会でもあまりにファンタジーすぎないかという意見が出ました。

戦争のことを書くにしても、残酷な話だけでなく、エリザベスのような勇敢な人間であったり、人間味のあるドイツ兵や逃げ出したポーランド人を助けた島民、赤十字によって助られた島民という小さな声も拾っています。

作者はアメリカ人ということもあり、多少なりとも実際のガーンジー島と距離を持って書くことができたからこそではないかという意見があり、ガーンジー島の読者からはどう読めるのか気になるという意見がありました。

■映画「ガーンジー島の読書会の秘密」について

私ともう一人、時間の都合がついたので、映画「ガーンジー島の読書会の秘密」の試写会に参加させていただきました。

映画は映像の美しさ、登場人物の雰囲気、ストーリーすべてがよく、大変おススメです!

まず、ストーリーですが、2時間という時間的制限があるため大胆な変更がされていました。

ある程度話をすっきりさせたおかげで全体が把握しやすく、小説を読むより数段話を理解しやすくなっています。

原作の雰囲気を損なうことなく、映像化できた作品ではないかと思います。

キャストは大変素晴らしく、各登場人物の特徴をよくとらえていて、小説と違和感の全くない雰囲気でした。

ジュリエットがすごい美人で衣装も華やかだったり、ドージーが男前過ぎて田舎の島にはこんな人いないんじゃないかなあと感じたり、マークが「プリティウーマン」の時のリチャード・ギアっぽくて第二次世界大戦後のイケメン感がすごいとかとにかく楽しめました!

撮影はガーンジー島とイギリス南部の海岸で行われたようです。

主人公の歩く海岸の風景や子供たちがイギリス本土に疎開するときの光景は目に焼き付いて離れません。

1940年代のイギリスの空気が匂ってくるような映像です。

■最後に

映画も原作も楽しめたよい企画でした。

絶版本を課題本にするのは少し躊躇しましたが、逆にこのような機会でないと読むことができないので大変良かったです。

『ガーンジー島の読書会』は1刷で終わってしまったようですが、この映画で版をぜひ重ねて文庫落ちするまで頑張ってもらえればと思います。

しかし、下巻は8/14現在amazonで19,800円と買う気にならない金額がついています…。

ちなみに、私は試写会で映画を見たときはちょうど原作を半分まで読み進んだ状態でした。

なので、設定の違うところをちょっと混乱しながら見ることになりました。

原作を読む予定の方がいらっしゃるようでしたら、

映画を見る前に読み終えるか見た後に読み始めるかしたほうが混乱しなくてよいかもしれません。

最後に、『ガーンジー島の読書会』を読む機会と「ガーンジー島の読書会の秘密」試写会を提供していただいたキノフィルムズの山根さん、大変ありがとうございました。

この報告を読んだ方、本も映画も面白いので、ぜひ見てください!

2019.8.9開催、8.24記

 

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