top of page

第159回直木三十五賞読み比べ

7月に開催した読み比べの報告です。

◎第159回直木三十五賞 受賞作:島本理生『ファーストラヴ』文藝春秋

上田早夕里『破滅の王』双葉社 木下昌輝『宇喜多の楽土』文藝春秋 窪美澄『じっと手を見る』幻冬舎 本城雅人『傍流の記者』新潮社 湊かなえ『未来』双葉社

​​

K.Sさん

一推し:島本理生『ファーストラヴ』文藝春秋

二推し:湊かなえ『未来』双葉社

一推し:主要登場人物の物語内における心情の変化、成長が分かりやすく描かれており、テーマの焦点を絞れているお陰か印象が強い。六作中で一番読後感が良かった。 二推し:心を強く揺さぶられた作品、という理由から上位推し。 三推し:じっと手を見る 四推し:宇喜多の楽土 五推し:破滅の王 六推し:傍流の記者 ※総じて今回は読後感がスッキリしないのが多かったです。

あゆみさん

一推し:湊かなえ『未来』双葉社

『未来』 創作の力を使った、最大限の湊さんらしい「希望」と「未来」の表現がここに。本を手にして読むことの意義が、この10年という集大成に詰まっていました。

pinkchouさん

一推し:島本理生『ファーストラヴ』文藝春秋

二推し:窪美澄『じっと手を見る』幻冬舎

この2冊と、「破滅の王」しか読めていないのですが、応募します。 読んだ中では①が面白かったかと思います。ただ、同じような過去のトラウマを考察する系統の作品の方向性であれば、以前の「BUTTER」の方が内容が濃かった。 ②も第3章くらいから面白く読めましたが、この作者の性描写が苦手でした…。

もとなが

一推し:湊かなえ『未来』双葉社

二推し:島本理生『ファーストラヴ』文藝春秋

普段とちがう湊さんだったので期待しています。

saccoさん

一推し:湊かなえ『未来』双葉社

二推し:本城雅人『傍流の記者』新潮社

「未来」は自分への手紙という構成が良かったです。主人公以外の話者がエピソードの話は裏話といった形が飽きさせず面白かったです。自分の中での不幸もこれっきりと信じると同時に、皆が自分の不幸が最も重い不幸だと酔っている姿が現実を反映しているようで非常に興味深かったです。

uranoさん

一推し:窪美澄『じっと手を見る』幻冬舎

二推し:木下昌輝『宇喜多の楽土』文藝春秋

「じっと手を見る」:視点を変えながら時間の経過を追っていくことで、それぞれの人物が際立っている。半面、「ありきたり」と評されて落選する恐れもある。 「宇喜多の楽土」:このうえなく普通だったが、デビュー作「宇喜多の捨て嫁」とあわせて一本になる可能性はある。 ※今回は圧倒的な作品がなく、票割れして「該当作なし」になるのではないか、との予感も漂う。どうかこの予感が外れますように。

さおりさん

一推し:本城雅人『傍流の記者』新潮社

古風な印象。受賞は無いと思いますが、心に残った一文があったので、「読んで良かった」一票を入れます。

bottom of page