第158回芥川賞・直木賞カフェ報告!
こんばんは。hajimeです。
さて、今回の直木賞芥川賞カフェ。
今回は前回、前々回と違い、本命なしの予想大会になりました。
いつも通り、終電間近まで楽しく本の話をしていました。
参加していただいた皆さん、本当にありがとうございました<(_ _)>
今回も皆さんの予想を上げておきます(^^)
◎第158回直木三十五賞候補作 受賞作:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
彩瀬まる著『くちなし』文藝春秋 伊吹有喜著『彼方の友へ』実業之日本社 澤田瞳子著『火定』PHP研究所 藤崎彩織著『ふたご』文藝春秋
◎第158回直木三十五賞予想
Komatsuさん
一押し:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
二押し:彩瀬まる著『くちなし』文藝春秋
銀河鉄道の父:史実に基づきつつも、巧みな心理描写で小説として昇華。堅実な、おじさま的文章も良い。売りやすそう。
くちなし:腕が取れる等、個人的には苦手な描写豊富か?と思ったものの、個人な趣味など凌駕する確かな実力と判断。短編なのがネックか。
他 ふたご:経済的戦略から受賞か。 彼方の友へ:突っ込みどころがある気がするが、個々の要素は輝いている。 火定:テーマは面白い。タイトルにもぐっとくる。
あゆみさん
一押し:彩瀬まる著『くちなし』文藝春秋
二押し:藤崎彩織著『ふたご』文藝春秋
『くちなし』 数行で引き込まれました。 純粋に好み。ということで一押し。
『ふたご』 応援してますの意味を込めて、二押し。 彼らが普通であればあるほど、希望のある作品だと思います。
根岸さん
一押し:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
二押し:彩瀬まる著『くちなし』文藝春秋
「銀河鉄道の父」は候補作の中でいちばん無難なバランスの取れた佳作に思いました。まだ直木賞を受賞していないのが不思議な程実力のある作家に思いました。
「くちなし」は作家の頭の中はどうなっているのか良い意味で心配になる怪作でした。表題作以外も良い出来です。今回受賞出来なくても数年後には取れるでしょう。
なおさん
一押し:伊吹有喜著『彼方の友へ』実業之日本社
二押し:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
みんな銀河鉄道を、推しそうなので彼方の友へにしてみます。どちらもありがちなストーリーな上に他の作品を読んだことがないので判断が難しかったです。くちなしも話題性ある気がしますが、直木賞には弱そうな印象でした。 銀河鉄道も彼方の友へもくちなしも話は好きなのでその中で取ったら嬉しいなぁ。
Hajimeさん
一押し:彩瀬まる著『くちなし』文藝春秋
二押し:藤崎彩織著『ふたご』文藝春秋
「くちなし」 多少SFの匂いがするので取らないような気もしますが一番良かったです。 短編の中でもSF色の強い作品は強い問いかけがあって考えることが非常に楽しかったです。
「ふたご」 「銀河鉄道の父」と悩みましたが、こちらを押します。 第2部はご都合主義の匂いもしますが、第1部の繊細さと危うさが素晴らしかったです。 あと、もう少し生々しく書いて欲しかったなあ。
「銀河鉄道の父」 宮沢賢治の父親を書いたこの作品。 正直本命に一番近い気はします。 ただ、今までの門井慶喜さんの候補作を読んでいて確かに娯楽小説としては楽しめるのですが、 何を書きたいのかがよくわからなくなったので3番目です。
「火定」 奈良時代の話はなかなかお目にかかれないので、嬉しいです。 ただ、パンデミックものにしても、お仕事小説としても、 ミステリにしても、時代物にしても少し中途半端な気がしてしまったので、この位置です。
「彼方の友へ」 文体は読みやすいのですが、話が暗いです。 昭和15年から始まるこの物語は、確かに戦争を背景に暗さが増していく時代ではありますが、 その中でもあったささやかな明るさをもっと表現してもらえるとよかったと思います。 弥生美術館が好きなので、点数辛めです。(1回しかいったことはありませんが…。)
ぴんくちょうさん
一押し:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
二押し:伊吹有喜著『彼方の友へ』実業之日本社
作者に対する蓄積された評価も高そうなので、1位は門井さん、2位は多分みなさんの評価は低いかもしれませんが、個人的に読んでいて元気が出たので、「彼方の友へ」とします。
K.Sさん
一押し:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
二押し:彩瀬まる著『くちなし』文藝春秋
一押しについては「家康、江戸を建てる」のときよりも二人の父親(賢治の父と童話の父)の心情描写にフォーカスがあたり、より小説らしくなったのが決定打になると予想。
二押しについては読み手を揺さぶる心情描写がかなり印象的。個人的には苦手な小説ですが、現代版「思い出トランプ」(SF要素つき)と自分は解釈して有力候補と判断しました。
Nagikaさん
一押し:彩瀬まる著『くちなし』文藝春秋
二押し:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
「くちなし」は星新一のショートショートみたいな不思議な世界観の話が多く引き込まれました!不思議な話だけでなく、現実の世界を舞台にしたものもあり、個人的にはこのバランスがちょうど良かったと思います。
saccoさん
一押し:澤田瞳子著『火定』PHP研究所
二押し:伊吹有喜著『彼方の友へ』実業之日本社
序盤からこれだろうなと思って、そのまま読み終えられました。二人の視点があることで飽きさせなかったと思いました。周囲の構成が似てる二人を比較しながら読めたのが面白かったです。
OKさん
一押し:澤田瞳子著『火定』PHP研究所
二押し:藤崎彩織著『ふたご』文藝春秋
没入して読めた順です。 ふたごは話題性先行と事前には思ったのですが、思ったより良かったかと 残り三作は優劣ほとんどないです。
さおりさん
一押し:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
父政次郎が、賢治をはじめ子供たちそれぞれの性質を見極め、志を問い、支える様子が興味深く読めました。綺麗事だけでなく人のダメな部分も描かれているのに、全体的に良い意味での軽さ、明るさ・透明感がありました。冒頭から終わりまでの時系列がシンプルで、時代の移り変わりによる家族の形の変化も上手く仕込まれていたと思います。面白かったです。
pikaさん
一押し:彩瀬まる著『くちなし』文藝春秋
二押し:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
「くちなし」は表現が芸術的で面白く、映像とかではなく本だからこそ楽しめるものだなと思ったので、イチ押しです。賛否両論ありそうな作品という点も私の中ではポイントが高いです。ただ、少しキワモノなので、受賞の際は二押しの「銀河鉄道の父」と一緒に受賞とかになるのではと予想します。
「銀河鉄道の父」は門井さんの安定感から二押しです。最初はテーマが宮沢賢治ということで、敬遠していたのですが、お父さんの親バカぶりが面白かったです。因みに、個人的には前回ノミネートされた「家康江戸を建てる」の方が好きです。
「彼方の友へ」は一番文章としては読みやすく、一番映像が浮かびやすい作品という印象でした。ただ、どこかで聞いた話という感じが否めなかったので、3位です。
「火定」はテーマとしては一番期待度が高かったのですが、その分辛口評価になってしまいました。まず、色々ツッコミ所が多過ぎて内容が頭に入ってこなかったのと、ちょっと書きたいことが散乱しているような感じがしたので4位です。 以上、個人的な意見で失礼しましたm(__)m
Uranoさん
一押し:門井慶喜著『銀河鉄道の父』講談社
二押し:藤崎彩織著『ふたご』文藝春秋
Kojiさん
一押し:澤田瞳子著『火定』PHP研究所
二押し:伊吹有喜著『彼方の友へ』実業之日本社
◎第158回芥川龍之介賞候補作
受賞作:石井遊佳著「百年泥」新潮11月号
若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
木村紅美著「雪子さんの足音」群像9月号
前田司郎著「愛が挟み撃ち」文學界12月号
宮内悠介著「ディレイ・エフェクト」たべるのがおそいvol.4
◎第158回芥川龍之介賞予想
Komatsuさん
一押し:木村紅美著「雪子さんの足音」群像9月号
二押し:宮内悠介著「ディレイ・エフェクト」たべるのがおそいvol.4
雪子さんの足音:実は大なり小なり万人が抱え、しかし口に出すのは憚られる感情に、触れたように思う。(余談だがツイッターの描写うまい)。
ディレイ・エフェクト:ふつうに面白い。「この家には、最初から」のくだりもぐっとくる。が、芥川賞かというと自信ないので2押し。
ゆきさん
一押し:石井遊佳著「百年泥」新潮11月号
二押し:若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
「百年泥」本当に面白いので、ぜひ。
たかさん
一押し:石井遊佳著「百年泥」新潮11月号
二押し:若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
別格でした。 好みではないし若干芥川賞ぽくもないかなと思いました。それでも推せるのは圧倒的な筆力でしょうか。
根岸さん
一押し:石井遊佳著「百年泥」新潮11月号
二押し:若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
候補作をすべて拝読しました!「百年泥」は他の候補作に比べて格が違うと思いました。色んな要素のごった煮ながら作品として全く破綻していないのはお見事。ラストの主人公のセリフは泥の中から出た爽快感があって小気味良い。「おらおら~」は作家がある程度人生経験を積んでいないと書けない佳作。この作家の次回作を読みたいと思えたのはこの二作のみでした。
なおさん
一押し:若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
二押し:宮内悠介著「ディレイ・エフェクト」たべるのがおそいvol.4
話題性で!最初の部分の読みにくさが芥川賞っぽいということで。宮内さんは選考員が好きそうなので。
ぴんくちょうさん
一押し:前田司郎著「愛が挟み撃ち」文學界12月号
二押し:若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
自信はないです。
K.Sさん
一押し:若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
二押し:木村紅美著「雪子さんの足音」群像9月号
一押しは人間の内面描写が凄い。力強い描き方しているのが評価されるかと予想。おじいさんおばあさんへの見る目が変わってしまう(笑)
二押しは主人公が大家や同じアパートの住人に対して邪見にする心情や行動が生々しくて、刺さる。主人公の回顧を通じて流れる空虚な雰囲気がなんとも。
余談ですが、今回読んだ芥川賞候補、たまたま読んだ二作ともお婆さんメインの話でした(笑)
岸本さん
一押し:若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
二押し:前田司郎著「愛が挟み撃ち」文學界12月号
若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号 芥川賞作品としての完成度は群を抜いてピカイチです。 まず何より文体が美しかった。リズム感もあり、3人称と1人称の使い分けと、その距離感、センスは新人作家とは到底思えない。
saccoさん
一押し:石井遊佳著「百年泥」新潮11月号
二押し:木村紅美著「雪子さんの足音」群像9月号
テンポが良く、引き込まれる印象でした。泥に埋まってるのか引き込まれてるのか。こっちが笑いながら泥の中に埋もれていきそうでした。
Uranoさん
一押し:前田司郎著「愛が挟み撃ち」文學界12月号
二押し:若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
あかねさん
一押し:石井遊佳著「百年泥」新潮11月号
二押し:若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」文藝冬号
①おらおらでひとりいぐも 特に前半部分、主人公が夫との死別を悲しみつつも自由を求める(?)感情が顕在化するくだりなど、印象的でした。 ②百年泥 川上弘美(+ラテン?)を彷彿とさせる、虚実入り交じった雰囲気が楽しめました。 ③愛が挟み撃ち 俊介がお前の子供なら愛せると断言するのはどういうことなのか..
以上、参加の皆さん、お疲れさまでした。
また、次回もよろしくお願いします。