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第29回 東京小説読書会の報告


こんにちは。uranoです。 昨年11月以来、3カ月ぶりに課題図書型の読書会を開催しました。 年末年始は直木賞&芥川賞マラソンで読む本が山積みになってしまうため、開催を見合わせておりました。 たいへん失礼しました。

参加人数は、当日欠席が増えたこともあり、主催者含め5名でした。 一年で一番寒い時期ですので、皆さんもどうぞお体ご自愛くださいませ。

さて。今回のテーマは山本幸久『ある日、アヒルバス』です。 東京の観光バス会社、アヒルバスに勤めるガイドさんのお話です。いわゆる「お仕事小説」ですね。 著者の山本さんは「お仕事小説の名手」であるらしく、わたしも過去『カイシャデイズ』を楽しませていただきました。

そんな話から「そもそもお仕事小説って何?」という話題が熱を帯びました。 「池井戸潤の半沢直樹シリーズは、お仕事小説と言えますよね」 「同じ経済モノで城山三郎はどうなんでしょう? あれもお仕事小説なのかな」 「そんなこと言ったらミステリーこそ刑事のお仕事小説でしょ!」 などなど、本題とは無関係のところでひと盛り上がりするのはいつものことです、苦笑。

肝心の内容に関して、わたしは「これは部下を育てる先輩の話なんだなー」と興味深く読みましたが、同じように呼んでいる方はいませんでした。 ある方は「中心となる4人のバスガイドの生き様や性格、価値観がみな違っていて、それぞれの女性像を楽しんだ」とおっしゃっていました。なるほどー。そう読むといっそう楽しめそうですね。

また、詳しく書くとネタバレになってしまうのですが、ラスト近くのある場面(事件)に関して、 「ほのぼのとした小説に、一気に緊迫感が走って違和感があった」 「むしろバスジャックされるくらいのほうが、違和感なく読めたかも」 などなど、皆さん思い思いの展開を語っていらっしゃいました。

ちなみに、本作には8年後を描いた『天晴れアヒルバス』なる続編もあるとのこと。 なんと参加5名中、2名が読んでいらっしゃいました! すごい! わたしも見習います。

次回の課題図書型は3月15日(水)、辻村深月『凍りのくじら』をテーマに開催します。 皆さまのご参加、お待ちしております。

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