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東京小説読書会・番外篇 「村上春樹ノーベル賞カウントダウン」を見に行くの巻

こんにちは。Uranoです。 2016年10月13日、ノーベル文学賞の発表に合わせてハルキスト(村上春樹ファン)が集うイベントが行われると聞き、読書会の常連さんたちと行ってきました。 会場は、村上春樹さんゆかりの東京・千駄ヶ谷にある鳩森八幡神社です。

「春樹さんにノーベル賞が授賞されるのではないか」ということは、2006年のカフカ賞受賞をきっかけに、毎年のように言われ続けています。その一方「実際に騒ぐファンは少数で、カウントダウン・イベントは報道陣のほうが多い」という声も聞かれていました。 「実際、現場はどうなっているのか!?」 そんな好奇心を胸に行ってみた次第です。

今回のイベントは「千駄ヶ谷 村上春樹ノーベル賞カウントダウン2016」といい、春樹文学を学ぶ千駄ヶ谷勉強会と、地元の千駄ヶ谷大通り商店街との共催にて行われました。 19時に始まり、受賞発表の20時に向けて、商店会長や勉強会主催者が意気込みを語ったり、代表作の朗読を聞いたりしながら待つ、というものでした。

19時30分くらいまではファンよりマスコミのほうが多く、需要過多におちいったマスコミが会場をウロウロ。われわれも何度も取材交渉を受けました(下写真/N〇Kの取材を受けるHajime)。

そうこうするうちに少しずつ人も集まってきて、気がつけば80席ほどあったパイプ椅子は満席に。しまいには立ち見も出るほどでした。 そして20時――。 会場の大型モニターは、ノーベル財団の会見場を映しているのですが、発表者はなかなか姿を現しません。ハルキストもマスコミも、みな固唾を呑んだまま待たされています。

そんなとき会場後方から聞こえてきたのが、「え? ボブ・ディラン? 間違いないの、それ」という男の声。ネットテレビ局のabemaT〇のスタッフさんで、どうやら本社待機組に電話確認している様子でした。われわれもスマホ片手にノーベル財団の公式サイトをたどっていくと、確かに書かれていました。 「awarded to Bob Dylan」と。

「おお、本当にボブ・ディランかー」 「去年まで有力候補と言われ続けてたからなー」 そんなわれわれの感想が聞こえたのか、abemaT〇の一団がやってきたのでスマホ画面を見せると、「本当だ!」「ディランだ!!」と大騒ぎ。

一方、会場前方では、そんな騒ぎが「聞こえないフリ」をしたまま、ハルキストとマスコミが大型モニターを注視しています。 動きがあったのは20時10分くらいでしょうか。モニターの向こうの会見場にひとりの女性が現れ、「awarded to Bob Dylan」と発表されました。

思わず「知ってた」とつぶやいてしまった私・・・。 この時間差はいったい何だったんだー。 春樹さんが受賞ならなかったことに加え、10分もの時間差攻撃によって、鳩森八幡神社は何とも微妙な空気に包まれてしまいました。

最後には勉強会主催者が「春樹さんを認めてくれないのはおかしい」と負け惜しみを言って閉会。 みな、三々五々帰っていきましたとさ。-完-

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